Jun 23, 2013

2位に5打差をつけて九州オープン優勝。田村十七男氏インタビュー

本日、日本ゴルフツアー選手権後に、宮里優作プロの初優勝の心境を聞くべく、優作プロに緊急インタビューを敢行しました。聞き手は、ゴルフ専門誌『EVEN』で3年間、優作プロを追いかけたフリーランスエディター&ライターの田村十七男氏です。

ーーついに初優勝です。今の心境は?
優作:普段とあまり変わらない、というか。いや、優勝できたのはうれしいんですけど、達成感はないんですよね。もちろん結果は大事です。でも、結果にとらわれてもいない。だから九州オープンでは、ただゴルフをしただけ。それが率直な感想です。初優勝はこんな感じかもしれないですね。これで勝ち癖をつけられたらいいかなあ。

ーーツアーの大会だったら違う感想を抱いた可能性はありますか?
優作:確かにツアーなら別かもしれませんが、どうだろう? 九州オープンはレベルが高い大会なんですよ。かつてツアーで使われたコースで4日間戦うし、プロも多数出場しているし。そんな状況ですから、プレー自体にツアーとの違いはなかったですね。

ーーだから、ただゴルフをしただけだと……。
優作:4日間トータルで15アンダーでしたが、実際のところ余力が残っていました。ガツガツ攻めたわけじゃないんです。OBも叩いたし、余計にパットを打った場面もあった。それでもスコアには執着しなかった。心掛けていたのは目の前の1打でしたね。4日間72ホールでゴルフすることを考え、どの1打でも良い状態で臨めること。仮に前の1打でミスをしても、次で良いショットを打てばミスが帳消しになりますからね。悪いイメージは引きずらず、その場で捨てる。スコアは完全に切り離してプレーしていました。切り離し過ぎたから優勝してもよろこべなかったのかな(笑)。

ーーいい感じで順位が上がってきたら気持ちが盛り上がったりしないんですか?
優作:むしろ気持ちの波があるほうが疲れちゃいます。気分は常にフラット。あえて波立てない。今週頑張りたいとか、ここから勝負だとか、そんな思い入れは僕には邪魔なものなんですよね。それは自分のプロゴルファー人生でイヤってほど思い知らされてきましたから(笑)。

ーー外野のおこがましい発言になりますが、昨年あたりから考え方というか、考えの実践方法というものが変わってきたような気がします。何かの境地を悟ったんでしょうか?
優作:境地と言えるかどうかわかりませんが、Vision54を主宰しているピアとリンのもとに通って3年目にして、彼女たちの指導の意味が体感できるようになりました。どういうショットを打つか決めた後の思考状態を彼女たちはプレーボックスと呼んでいますが、そのプレーボックスの入り方、端的に言えば雑念の払い方がわかってきたんです。無欲になる感じなのかな、目の前の1打に気負いなく集中するというか。今回の九州オープンでは4日間72ホールを通じてプレーボックスの入り方がよかった。それが最大の収穫です。

ーー1打ごとに一喜一憂せず、フラットな気持ちで全ホールを回るなんてできるものなんですか?
優作:できるんですよ。過去にも何回か経験しているんですが、数字に結びつかなかった。だから、今回のようなゴルフができればだいじょうぶなんだと自信がつきました。もちろんツアーで優勝したいですよ。でも、決して背伸びせず、今くらいの感じですぅっといければいいかな。ガツガツしなくても向こうから来てくれるはずですから。

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